Toshiba

Japan

    LADOCsuite™/WES倉庫運用最適化サービス

    物流可視化、分析、AI
    ロボットが導入され半自動化された物流倉庫 において、「人と機械のベストマッチ」を実現して倉庫全体を可視化・最適化・制御し、スループットを向上します。
    提供元
    東芝デジタルソリューションズ株式会社東芝インフラシステムズ株式会社
    概要
    物流業界では負荷は増えるが、人手が足りない

    近年、物流業界を取り巻く環境が大きく変化しています。新型コロナウイルス感染症の影響により自宅で過ごす時間が増え、家庭や個人による電子商取引の需要が高まり、それに伴い取り扱う荷物の小口化や配送件数の増加(多頻度化)が進み、物流関連企業の負荷は増大し続けています。

    同時に、少子高齢化による労働力人口の減少に加え、物流業界全体でトラックドライバーの労働時間や役割の適正化を目指す取り組みが進められており、ドライバーの確保が困難になっています。

    このように限られた人員と急増する荷物により、日本の物流はモノが運べなくなる「物流危機」に陥る恐れがあるともいわれています。こうした背景から物流関連企業では、限られた人員でいかに効率的に倉庫内での出荷作業や荷物の輸配送を行うかが、目下の課題となっています。

    機械(ロボット・マテハン機器)を導入するだけでは不十分

    そのため多くの物流倉庫では、人手不足を解消する手段としてロボット、マテハン機器(※)などの機械を導入して、倉庫作業の自動化を進めています。しかし、機械を導入しても、人と機械の作業がバラバラでは効率を高めることはできず、悪くすれば、かえって効率を低下させてしまいます。

    機械が導入され半自動化された倉庫において、スループットを向上させるためには、人・機械両方のステータス・負荷状況を踏まえて今後の負荷の見通しを予測し、それに基づいて人への作業指示ないし機械の制御を行うしくみが必要となります。

    ※ マテリアルハンドリング機器。パレット、台車、フォークリフトなど、物流倉庫内の作業を効率化する機器のこと。

    価値
    人と機械が混在する既存の倉庫内のリソースを
    最適に活用して、倉庫全体の継続的なスループット向上や
    扱える荷量のケイパビリティ向上の実現に貢献します

    東芝がご提案する、倉庫運用最適化サービス LADOCsuite™/WES は、人・ロボット・マテハン機器などの倉庫内リソースの最大限の活用を促進します。

    これまでも、人の物流業務を支える倉庫管理システム(WMS : Warehouse Management System)がありました。また、倉庫に導入された個々の機械は倉庫制御システム(WCS : Warehouse Control System)で制御されてきました。しかし、これらの WMS と WCS は統合されておらず、人と機械を含めて倉庫全体を通して効率的に運用するためには、人の経験と勘に頼らざるを得ないのが現実でした。将来にわたり、特定の人に頼った倉庫運用をすることはできず、事業継続の観点からは課題が残っていました。

    そこで、東芝は、WMS、WCS と連携し、倉庫内の人と機械のデータを統合して蓄積し、見える化、分析・シミュレーション、最適化を行うクラウドサービスである倉庫運用最適化サービス「LADOCsuite™/WES」をご提案します。

    WES構成図
    人(WMS)と機械(WCS)両方の技術・経験を持つ
    東芝だからこそご提供できる、人と機械のベストマッチ(WES)

    東芝には、製造業を営みながら自ら培ってきた倉庫内における物流現場のノウハウがあります。そのノウハウを倉庫管理ソリューション「LADOCsuite™/WMS」に結集して提供しています。

    人(WMS)の観点から LADOCsuite™/WES にご興味を持たれた方は、東芝デジタルソリューションズの WES オフィシャルページもご覧ください。

    Ladocsuite WES banner

    また東芝には、140 年にわたる「ものづくり DNA」に基づくロボット技術もあります。倉庫内にあるさまざまな種類や大きさ、重さの荷物に対する、荷降ろしや搬送、ピッキングといった作業を、現場の状況に応じて「ちみつ」に行う一連のロボットとともに、それらの各ロボットに対してリアルタイムに監視や作業の指示を行う WCS をあわせて提供します。

    ロボット(WCS)の観点から WES にご興味を持たれた方は、東芝インフラシステムズ社の WES オフィシャルページもご覧ください。

    Logistics WES banner

    さらに、東芝には世界で 3 位(※)の特許出願件数を誇る AI 技術による最適化技術と数理最適化技術もあります。これらの技術を組み合わせることで、WMS と WCS から取得したデータにもとづく高度な最適化をご提供します。

    ※ 世界知的所有権機関 WIPO Technology Trends 2019 Artificial Intelligence に於いて

    倉庫の現場やロボットに関する知見を取り込んだ LADOCsuite™/WES が、人とロボットの作業を適切に振り分けます。人とロボットの特徴や能力を踏まえ、WES が立案した最適な作業計画をもとに、WMS が作業者へ、WCS がロボットへと作業指示を行います。これが、「人と機械のベストマッチ」による倉庫の自動化です。さらに WES は、人とロボットそれぞれの作業の進捗状況をリアルタイムに把握しながら、急に発生した作業も柔軟に作業計画に反映するなど、倉庫全体の作業の効率化に貢献します。

    LADOCsuite™/WES は、LADOCsuite™/WMS だけでなく他社製の WMS や、WCS ともつなげられます。例えば、LADOCsuite™/WES により最適化した人の作業計画をもとに、お客さま導入済みの WMS で作業者に作業指示を行ったり、さまざまなロボットやマテハンなどをオープンな API(Application Programming Interface)により WES に接続して運用したりするなど、現在、さまざまなシステムや機器との連携を検証する取り組みも進めています。

    詳細

    LADOCsuite™/WES は、まるでベテランのスタッフのように、人と機械の作業を俯瞰的に捉える、作業計画を立てる、進捗や負荷状況をリアルタイムに把握する、作業の完了時間を予測する、刻々と変わる状況に応じた最適なリソース配分を行う、などの高度な作業を担います。またロボット・マテハン機器などの自動化機器との連携、相乗効果により、自動化・省力化を強力に推進・サポートします。

    ここでは典型的なユースケースを三つご紹介します。より詳しくは次をご覧ください。

    倉庫内作業の見える化により一目で現場状況を把握でき、
    異常時にはすばやく管理者が対策をたてることができます

    人や機械などの倉庫内作業の現場情報を様々な視点から見える化します。これによって現場の状況把握、とくに異常の検知を遅延なく行い、先手先手の対策で異常発生による対応コストを抑制することができます。

    WESダッシュボード一覧

    例えは状態表示(機器)画面では、棚搬送ロボット状況や AGV の稼働状況や故障の発生を俯瞰して確認することができます。

    ウエアハウス地図ダッシュボード
    それぞれの作業進捗の完了時間を予測するとともに、
    要員調整を最適化することで、リソースを有効に活用し、
    車両の出門予定時刻に対する遅れリスクを軽減します

    グループやルート別の作業完了時間を WES が予測することによって、現時点での作業遅延を認識することができ、遅延発生時には、リーダー間でどのように人員を調整すればよいかを WES が指南します。すばやい遅延の発見・リーダーやメンバー同士の要員調整をサポートすることで、車両の出門予定時刻に遅れることなく、当日の作業を効率よく実行できます。

    ユースケース説明1
    WES が複数のロボットを統合的に連携することで
    管理者はロボット群の複雑な管理をすることなくスムーズな
    ロボット連携を実現し倉庫全体のスループットを向上します

    ロボットやマテハン機器など倉庫への機械の導入は進んでいきます。その複数の機械の連携調整は人手を要し、複雑で、管理者の負担になってきました。WES の導入により、その負担を WES が請負い、作業進捗を踏まえながら各自動化機器の作業計画・動作を最適化します。これによって、複雑な管理を必要とすることなく、スムーズな連携制御で倉庫全体のスループットを向上できます。

    ユースケース説明2

    たとえば WES は、異なる形状をもつ複数の商品で構成される 1 件のオーダを人と機械を連携させ効率よく完成させることができます。これは、WES が棚搬送ロボット、人手ピッキング、ピッキングロボットそれぞれの状況を踏まえて、商品形状に応じて人手ピッキングと自動ピッキングに振り分け連携することで実現します。

    「TOSHIBA SPINEX」とは
    東芝IoTリファレンスアーキテクチャーに準拠したインダストリアルIoTサービスの総称です。

    詳しくは東芝IoTリファレンスアーキテクチャーをご覧ください。

    SPINEXの名前に込めた思い

    “SPINE” + “X”
    SPINE とは脊椎(せきつい)を意味します。

    人の身体を中心で支える脊椎。脊椎は、全身に神経をめぐらす脊髄(せきずい)を内包しています。エッジコンピューティングは、まるで人間の反射を担う脊髄のように隅々まで制御を行き渡らせることで、すばやく判断し処理します。

    お客様のビジネスを支え、現場ですばやく適切な処理を行う。そんな脊椎のようにインダストリアルIoTの重要な骨格となって企業や社会に貢献し、人びとの活動を支える存在になりたいという想いを込め、さらにその先の広がり(eXpand)や経験(eXperience)、他の価値やサービスと掛け合わせる “X(cross)” を加え、東芝IoTリファレンスアーキテクチャーに準拠したインダストリアルIoTサービスの総称を “TOSHIBA SPINEX” と名付けました。

    東芝IoTリファレンスアーキテクチャー基準の2つの柱

    APIサービスがそれ自身で閉じているのではなくインターフェイスを持ち、サービスオーナー以外がそのインターフェイスを利用することで新たな価値を生み出しうるアーキテクチャーになっていること。
    セキュリティサービスのセキュリティに関し、システムセキュリティのグローバル標準に基づき顧客への説明ができる準備ができていること、その説明によって、顧客自らが、自身のビジネスのセキュリティ要件を当該サービスが満たしているか・いないかを判断できること。